WiMAX(ワイマックス)の最新ルーターであるSpeed Wi-Fi NEXT W04(以下、W04)が登場しました。ご覧のとおり、スティック型(スマホ型)になっており、同じHuawei製のW03と比べ、操作性が大きく向上しました。
もちろん、進化したのは外観だけではありません。昨年11月に発売されたWX03と同様、4×4MIMOに対応したことで下りの最大通信速度は440Mbpsとなっています。(*1)
最初にネタバレしておくと、W04とWX03の最大の違いは、LTEを使えるということ。
今回は、おすすめのモバイルWi-Fiルーター、W04を徹底解説していきます。
[box color="blue-blue" title="下り最大708Mbpsに対応!(*1)"] 2017年5月16日に提供されたファームウェアに更新することで、ハイスピードプラスエリアモードで通信した場合の速度が下り最大708Mbpsとなりました。アップデートは端末からワンタッチできます。 [/box]目次
W04はどのようなタイプの方におすすめなのか?
全部入りルーターが欲しいすべての方
WiMAX2+で下り最大440Mbps、しかも、LTEが使えて下り速度も最大370Mbps708Mbpsとなれば、W04は現在のWiMAXでできることをほぼ網羅しています。
ゆえに、ビギナーの方から長年のWiMAX愛用者の方まで、すべての方におすすめです。
”ほぼ網羅”と書いたのは、「WiMAX」のネットワークには対応していないため。ただ、現在のメインネットワークは「WiMAX2+」であり、「WiMAX」は下り最大13.3Mbpsまで速度が絞られています。WX03も対応しなくなったので気にしなくてもよいでしょう。
下り最大440Mbpsの対象エリアにお住いの方
これまで東名阪の一部の地域でのみサービスされていた下り最大440Mbpsのエリアの全国展開が決まりました。この決定により特定のエリアにお住いの方だけでなく、すべて方にサービスが提供されることになります。(例外の地域はあります)
サービスエリアについては、次のリンク先で確認してみましょう。
ハイスピードプラスエリアをご検討中の方
W04はWiMAX2+だけでなくLTEのネットワークにも対応しており、ハイスピードプラスエリアモードに切り替えできます。
[box color="blue" title="ハイスピードプラスエリアとは?"] ハイスピードプラスエリアは、au 4G LTEを使うことができる通信モードです。申し込みの必要はなく、ルーターから任意のタイミングで利用できます。WiMAX2+のエリア外でLTEが使えるため非常に便利ですが、月額1,005円(税抜)の有料オプションであり、月間データ量の上限(7GB)があります。[/box]W04はWiMAX2+とLTEを使った下り最大370Mbpsにも対応していますが、WiMAX2+のみで下り最大440Mbpsで通信できますので、速さを求めてハイスピードプラスエリアを契約する必要はありません。
下り最大708Mbpsに対応したことにより、WiMAX2+とLTEのキャリアアグリゲーションに速度的な優位性が生まれました。だだし、今はまだ下り最大708Mbpsで通信できるエリアは限定的です。下り最大440Mbpsでも体感速度はかなり速いことからも、速さを求めてハイスピードプラスエリアを契約する必要はないでしょう。
しかし、LTEはWiMAX2+よりも周波数の低く、WiMAX2+が苦手なエリアを補完してくれることから、いざというときに役立にたちます。
W04のおすすめポイントは?
SIMロック解除済み!2年後は乗り換えもOK
公表されていませんが、W04はSIMカードにロックが掛けられていない、SIMフリーのモバイルWiFiルーターです。W03もSIMフリーでしたのでメーカーの仕様でしょう。
W03がロックを掛け忘れたのか、Huawei社の仕様でそうなったのか、WiMAXユーザーの間ではしばしば議論のネタでした。発覚した当時は、W03の中古の相場が上がった記憶があります。
ビギナーの方のためにSIMフリーのメリットについて解説しておくと、WiMAX2+のプロバイダーを解約してもモバイルWiFiルーターの使い道がある!ということです。今の段階では、制約が少ないのだな…くらいの理解でも十分です。
スティック型(スマホ型)で抜群の操作性!
横幅わずか5.3㎝の縦長のスタイルであるため、スマートフォン感覚で操作できます。これにより、横長のルーターでは両手を使わざるをえなかったシーンにおいても、片手で操作できるようになりました。ポップなデザインも◎。
モバイルWi-Fiルーターを操作する機会は少ないといえ、電池を節約するためにパフォーマンスモードを切り替えをすることはあります。また「使いすぎたなかな?」と思ったときは、データ量のチェックをしたくなるものですよね。
これからの時代、スティック型(スマホ型)ルーターが主流になっていくかもしれません。
WiMAX2+単独で下り最大440Mbps!
WiMAX2+の110Mbpsをキャリアアグリゲーションで束ねて220Mbps。それを4x4MIMOでさらに束ねることで、下り最大440Mbpsで通信ができます。WX03と同じ方式ですね。
旧モデルのW03では、WiMAX2+とLTEを束ねた下り最大370Mbpsが最高速度でしたので、一挙に70Mbpsも高速化されたことになります。
速度は向上、でも追加料金は不要!
W03を下り最大370Mbpsで運用するにはハイスピードプラスエリアの契約が必要でした。オプション料を避けるためノーマルモードで運用していた方も多いのではないでしょうか。
W04の下り最大440MbpsはLTEを使わないため、オプション契約が不要です。速度は向上し、追加料金が不要になって一石二鳥とはまさにこのことですね。
バッテリーの保ちが気になるところですが、これについては後述の比較表をみてください。
旧モデルから5Mbps向上!上り最大30Mbps
WX03と同様、上り速度は最大30Mbpsに対応しています。W03では上り最大25Mbpsでしたので、5Mbps向上しました。
「たった5Mbpsか・・・」と思うかもしれませんが、LTEを使わないという条件下では10Mbpsから30Mbpsへ3倍も向上したことになります。
ダウンロードに比べアップロードする機会は圧倒的に少ないのですが、SNSが私たちの生活に浸透したことにより、アップロードする機会は年々増えています。また、SkypeやLINE、ViberといったVoIPは双方向通信のため上り速度も重要です。
W04のスペックを他の機種と比較
ここでは、もっと深く知りたい方のために、Speed WiFi NEXT WX03(以下、WX03)との比較、およびW03との比較を行います。
W04のスペック詳細 - 主要機能の抜粋
まずは、W04の基本スペックをさらっとおさらいしましょう。
スペック | |
---|---|
イメージ | 約W53×H130×D14.2mm |
商品名 | Speed WiFi NEXT W04 |
カラー | グリーン/ホワイト |
メーカー | Huawei |
質量 | 約140g |
通信速度 | 下り最大708Mbps/上り最大30Mbps |
ネットワーク | WiMAX2+/au 4G LTE |
バッテリー | 2,750mAh |
連続通信時間*1 | 約630分 |
連続待受時間 | 約850時間(休止状態)・約38時間(ウェイティング) |
おすすめ度 |
(*1) WiFi接続でバッテリーセーブモードの場合
W04とWX03の比較 - 旧モデルとの違いはどこ?
次に、旧モデルとの比較を行いましょう。
W04 | W03 | |
---|---|---|
イメージ | ||
サイズ | 約W53×H130×D14.2mm | 約W120×H62×D11.4mm |
下り通信速度 | 最大708Mbps | 最大370Mbps |
上り通信速度 | 最大30Mbps | 最大25Mbps |
質量 | 約140g | 約127g |
タッチパネル | [maru] | [maru] |
Bluetooth | [sankaku] | [batu] |
連続通信時間*1 | 約630分 | 約730分 |
待受時間 (休止状態) |
約850時間 | 約1,040時間 |
待受時間 (ウェイティング) |
約38時間 | 約45時間 |
バッテリー容量 | 2,750mAh | 3,000mAh |
インターフェイス | USB Type-C Quick Charge 3.0 |
micro USB Quick Charge 2.0 |
(*1) WiFi接続でバッテリーセーブモードの場合
もはや別モデルの外観
イメージを見ていただければ一目瞭然。外観は、別モデルといっても過言ではありません。スマートフォンの操作になれた方であれば、直観的に操作できるでしょう。
なお、クレードルに挿した場合は、
ちゃんと横置き、横画面で表示できるのもGood!
クレードルは無くても十分運用できますが、イーサネット(Ethernet)を使えたり、無線LANルーターの代わりになるなど、あれば便利になるアイテムです。
質量と耐久力ならW03という選択も十分あり
じつは最新のW04よりも旧モデルのW03のほうが優れている点もありますので、このあたりもきちんと説明しておきましょう。
- 本体の厚み
- 質量(軽さ)
- バッテリーの容量
については、W03のほうが優位です。
この背景には、4×4MIMOに対応するためのハードウェアとソフトウェアが関係していると推測できます。バッテリーの容量を増やせば、本体の厚みや質量が増えてしまうというジレンマがあるからです。
なお、キャンペーン特典で優遇されることを考えると、「下り最大440Mbpsも必要ない」という方は、あえて型落ちとなったW03を選ぶというのもありですね。
[box color="blue" title="W03は解約後も使えるって本当?"] Huawei社の仕様かどうかはわかりませんが、W03はSIMフリーです。つまりSIMカードさえあれば、UQWiMAXに限らず、auやdocomoのSIMを使ってモバイルWiFiルーターとして使うことができます。W04もSIMフリーであることが判明しました。au以外のSIMカードでも動作が確認されています。これでバッテリーの蓄電能力が続くかぎり、W04を使い倒すことができますね。
[/box]W04とWX03の比較 - ライバル機種との違いはどこ?
最後に、ライバル機種との比較を行いましょう。
W04 | WX03 | |
---|---|---|
イメージ | ||
サイズ | 約W53×H130×D14.2mm | 約W99×H62×D13.2mm |
メーカー | Huawei | NECプラットフォームズ株式会社 |
下り通信速度 | 最大708Mbps | 最大440Mbps |
上り通信速度 | 最大30Mbps | 最大30Mbps |
質量 | 約140g | 約110g |
通信方式 | 4×4MIMO + CA | 4×4MIMO + CA |
タッチパネル | [maru] | [maru] |
WiMAX2+ | [maru] | [maru] |
LTE | [maru] | [batu] |
WiMAX | [batu] | [batu] |
連続通信時間*1 (WiFi) |
約630分 | 約740分 |
連続通信時間(Bluetooth)*2 | 約900分 | 約990分 |
待受時間 (休止状態) |
約850時間 | 約1,100時間 |
待受時間 (ウェイティング) |
約38時間 | 約45時間 |
バッテリー容量 | 2750mAh | 2890mAh |
おすすめ度 |
(*1) バッテリーセーブモード時(W04)、Bluetooth®&エコモード時(WX03)
(*2) 下り速度は最大3Mbps(W04)、エコモード時(WX03)
機能面ではW04に優位性あり
LTEが使える分、機能面ではW04のほうが圧倒的に優位といってよいでしょう。さすがにWX03も次のモデル(WX04?)では対応してきそうな気がしますね。
※追記 2017年11月1日よりSpeed Wi-Fi NEXT WX04が発売されます。予想したとおりLTE対応でしたね!ただ、スペックはW04のほうが上でしたのでご安心ください。WX04について知りたい方は次の記事が参考になるでしょう。
[in_link url="/wx04/" date="modify" excerpt="show" title="" label="おすすめ!" label_color="green"]
LTEの無料化がこの夏のキーワード
ご存知かもしれませんが、WiMAXは地下鉄や地下街が苦手です。この弱点をカバーするためにはLTEが必要なのですが、有料オプションというのが私たちユーザーのネックになっていました。
2016年11月より「auスマートバリューmine」の加入者であれば無料で使えるようになりましたが、下記の記事によればこの夏対象者が大きく拡大されるようです。
WiMAX 2+の『LTEオプション』無料拡大へ(外部リンク)
この記事の内容が実現すれば、LTE対応のモバイルWiFiルーターを持つ者と持たざる者の間で大きな差が生じることになります。
こだわりが無いのであればLTEの無料化を見据えてW04を選んでおいてください。損をすることはありませんので。
[box color="blue-blue" title="LTE無料化について 追記 4/19"] UQWiMAXは6月1日以降に3年契約でLTEを無料化すると発表しました。現行のユーザーは3年契約に切り替えることで対象となるようです。切り替えにあたり3,000円の登録手数料が掛かりますが、LTEのオプション料は月額1,005円(税抜)ですので、3ヶ月で元が取れる計算になります。[/box]
バッテリーの保ちはWX03のほうがよい
ただし、バッテリーの保ちについては、WX03のほうが圧倒的によいです。その差は休止状態の250時間とウェイティングモードの7時間で特に顕著です。
また質量も30gの差があることから、LTEが必要ないのであればW04を選ばず、持久力に優れるWX03を選んでもよいと思います。格安スマホなどで、すでにSIMカードをお持ちの方にとっては、WX03の機能は必要十分だからです。
W04の実機を写真で見てみよう!
[d_photo_frame color="blue" width="" align="" type="clip"]予定していた通り、W04の実機を入手しましたのでレビューします。W03の梱包は、味気がありませんがしたが、今回は気合が入っていますね。なお、今回はクレードルを購入していませんが、USB3.0のケーブルは付属しています。
[/d_photo_frame]W04とW03の大きさを比べてみた
[d_photo_frame color="blue" width="" align="" type="clip"]W04を横にして並べてみました。長辺よりも短辺の差が大きいことがわかります。
[/d_photo_frame]W04とW03の厚さを比べてみた
[d_photo_frame color="blue" width="" align="" type="clip"]スペックの数値にも差がありますが、写真でもW04の方が若干厚みがありますね。ただし、持ちやすくなっているので、ほとんど気にならないと思います。
[/d_photo_frame]W04を片手で操作してみた
[d_photo_frame color="blue" width="" align="" type="clip"]さすがに縦型になっただけあって操作性は良くなりました。W03と比べると少しだけ重くなりましたが、持ちやすくなったため気にならないでしょう。
[/d_photo_frame]ファームウェアの自動更新機能は便利
W04を触っていてファームウェアの自動更新機能が追加されていることに気が付きました。ファームウェアとはハードに近いソフトウェアのことです。最新の状態にしておくことで、ルーターの安定性や安全性が向上します。
W03では自動通知のみでした。ファームウェアの更新はついつい忘れてしまいがちですので、ビギナーの方はぜひ「オン」にしておきましょう。
W04を最安値で手に入れるおすすめな方法とは?
白ロムの購入はおすすめできない
W04を安く入手する方法をネットで検索すると、白ロムの購入を薦めるサイトがあります。しかし、当然ながらリスクを伴いますのでおすすめしません。止めておきましょう。
W04に初期不良が出た場合の対応もむずかしくなりますし、正規のルートで購入していない場合は、いつ利用制限がかかってもおかしくありません。
- 白ロムと赤ロムの違い
- IMEIの意味
- 利用制限が〇でもリスクがある理由
といったことで消耗するくらいなら、キャンペーンを利用したほうが安いでしょう。
そもそも、通信するためにWiMAX2+のSIMカードが必要です。SIMカード単体のキャンペーンはないので、新規ユーザーは、白ロムを購入しても意味がありません。
月額料金で最安値を探そう
WiMAX2+の下り最大440Mbpsのエリアは現在拡大中であるため、W04以上のスペックのルーターがすぐに登場するとは考えにくいです。次はWX04になると思いますが、現行機種のWX03も発売からそれほど時間がたっていません。
以上のことを考えると、次にトレンドが大きく変わるまでの間、長く使えるプロバイダを探すのが賢明ではないでしょうか。月額料金が安くなるのは、25か月目以降最も安いBroad WiMAXと、月額2,699円から使えるGMOとくとくBBですね。
これらのプロバイダについては、次の記事で詳しく紹介しています。
Broad WiMAXをお得に契約する完全ガイド
GMOとくとくBBでWiMAXをお得に契約する完全ガイド
まとめ
ここまでW04のスペックの検証・WX03およびW03との比較を行ってきました。
W04はそのハイスペックから、この春の本命のモバイルWiFiルーターといえるでしょう。通信速度を求めるのであれば、docomoのN-01Jなども候補にあがりますが、従量制ですのでコストパフォーマンスの面でWiMAX2+に遠くおよびません。
WiMAX2+は、2017年の2月2日より、3日間で3GBから10GBへと規制が緩和されました。10GBもあれば、たいていのことはW04で事足りるでしょう。インターネット回線の見直しをお考えの方は、この機会にW04をご検討してみてはいかがでしょうか。
Huawei社製が気になるというのであれば、Speed Wi-Fi NEXT WX04を選ぶという選択肢もあります。すでにご紹介していますが、WX04について知りたい方には次の記事が役に立つでしょう。
[in_link url="https://wimax-beginners.com/wx04/" date="modify" excerpt="show" title="" label="おすすめ!" label_color="green"]なお、W04の変調方式はアップデートにより256QAMになりました。下り最大速度は708Mbpsとなり、隠れていたポテンシャルが開花した状態です!
W04の発売から半年が過ぎ、WX04も発売されましたが、W05の発売まではまだ時間があることから、今ルーターを選ばれる方はW04で間違いないと思います。
[box color="pink-pink" title="今月おすすめのプロバイダ5選とキャンペーン"] WiMAXを取り扱うプロバイダは20社以上。そのなかからベストな一社を見つけるのは至難の業です。次のページでは、当月おすすめできるプロバイダを5つまで絞り、そのキャンペーンの徹底比較を行いました。ひと目で分かる一覧表からあなた好みの1社を見つけましょう。 [/box]