ハイスピードプラスエリアモードは、名前のとおり、WiMAX2+の「高速データ通信」に、LTEの「エリアの強さ」が追加された通信モードです。現行のWiMAXには3つの通信モードがありますが、ハイスピードプラスエリアモードは有料オプションです。
この記事では、ハイスピードモードについて解説するために、初めにWiMAXの3つの通信モードの違いについてご紹介します。
それから、
- ハイスピードプラスエリアモードの必要性
- 利用する際に注意すべきこと
について掘り下げていきます。
ビギナーの方が勘違いしやすい月間データ量と速度制限についても取り上げていますので、ぜひ参考にしてみてください。
3種類の通信モードとは?
ハイスピードプラスエリアモード
WiMAX2+とau 4G LTEのネットワークが利用できる通信モードです。
データ通信の速いWiMAX2+と、エリアに強いLTEのネットワークがどちらも使えるため、モバイル業界で最強の通信環境といっても過言ではありません。
Speed WiFi NEXT W04やSpeed WiFi NEXT W03など、WiMAX2+とLTEのキャリアアグリゲーションに対応するルーターは、ハイスピードプラスエリアモードを契約することにより、パフォーマンスを向上させることもできます。
ハイスピードプラスエリアモードの注意点
- 対応ルーターが限定される
- 月額1,005円のオプション
- 月間データ量7GBまで
といった制約があることも押さえておきましょう。
とりわけ、月間データ量が7GBになる点にご注意ください。7GBの内訳は、ハイスピードプラスエリアモードにおけるすべてのデータ通信です。勘違いしやすいのですが、LTEを使った通信だけでなくWiMAX2+の通信も対象になります。
また、月間データ量が7GBを超過してからハイスピードモードに戻しても、速度制限は解除されません。月が替わるまで継続しますので、7GBの超過は絶対に避けましょう。
ハイスピードモード
WiMAX2+のネットワークが利用できる通信モードです。
現在のWiMAXにおいて、最も標準的な通信モードであり、「ギガ放題」のオプションに加入することで月間データ量が無制限になります。
欠点を挙げるとすれば、プラチナバンドではない2GHz以上の周波数を使用しているため、地下やビルの屋内で電波を拾いにくいということでしょう。ただ、地下鉄については対応がかなり進んでおり、中継器が近いため地上よりも速度が出る、なんてこともあります。
用途に応じてLTE対応ルーターを選択しよう
地下街や地下鉄の対応は進んでいますが、オフィスビルの内部フロアなど、周囲をコンクリートに囲まれた状況では、依然としてWiMAX2+の電波は掴みにくいです。そのような場所では、WiFiスポットが設置されていることも多いのですが、不安であれば、LTE対応ルーターを選びましょう。
LTE対応ルーターであれば、いざという時にハイスピードプラスエリアモードに切り替えるだけで、au 4G LTEのネットワークを利用することができますので。
ノーリミットモード
WiMAXのネットワークが利用できる通信モードです。
月間データ量は使い放題、使い過ぎによる一時的な速度制限もない、完全に無制限の通信モードです。UQWiMAXの名前が知られるようになったのも、ノーリミットモードの影響が大きいでしょう。
ただし、現在はWiMAX2+への移行が進められており、キャリアアグリゲーションが導入されたエリアの通信速度は、下り最大40Mbpsから13.3Mbpsになります。それに加え、対応するルーターの新規販売は、すでに終了しています。
中古のHWD15は電池パックの劣化に注意
WiMAX2+の制限が緩和された現在、速度を求めてノーリミットモードを使う必要はなくなりました。ハイスピードモードで速度制限にかかる機会が少なくなったからです。
しかし、ノーリミットモードがあれば「ギガ放題」を契約せずとも月間データ量を無制限にすることができるため、依然として支持する人もいます。(実用に耐えるかどうかは、お住いのエリアのWiMAXがどれくらい速いかによりますね)
ITに詳しい方が上記の情報をネットの掲示板などで仕入れると、中古のHWD15あるいはNAD11を探したりするのですが、あまりおすすめできません。
中古のルーターは電池パックの劣化や故障のリスクが高いためです。
まずは、SIMカードと一緒に最新のルーターを入手し、満足できなければ中古を試してみる、といった姿勢で臨みましょう。
ハイスピードプラスエリアモードは必要か?
必要ないがLTE対応ルーターは欲しい
3つの通信モードの違いが分かったところで、ハイスピードプラスエリアモードの必要性についてまとめていきましょう。
結論から言ってしまえば、ハイスピードプラスエリアの必要性は高くありません。
なぜなら、Speed WiFi NEXT WX03以降のルーターであれば、ハイスピードモードで下り最大440Mbpsに対応しているため。技術的な話をすれば、110Mbpsをキャリアアグリゲーションで束ね、さらに4x4MIMMOで通信できるためです。
ただし、データ転送の情報密度を高める256QAM(256カム)が採用されれば、状況は変わってくると思いますので、LTE対応ルーターは欲しいところです。
LTE無料化の流れも考慮しよう
UQWiMAXは、2017年6月1日以降の契約でLTE無料化の予定しています。
これまでLTE無料化のための条件が伏せられて来ましたが、4月13日に「3年契約でLTE無料化になる」とアナウンスがありました。詳しくは下記(外部サイト)をご参照ください。
WiMAX 2+サービスにLTEオプション無料プランが登場!
この流れは、MVNOである各プロバイダも踏襲するでしょう。なお、上記リンク先にも明記されていますが、2年契約から3年契約への切り替えは無料です。
つまり、LTE対応ルーターさえ持っていれば、契約を切り替えるだけで、ハイスピードプラスエリアモードを無料化できるのです。お手持ちのルーターがLTEに対応していなければ選択肢すら失ってしまう…これから先はLTE対応ルーターを選びましょう。
総括
最後に、3種類の通信モードにおけるハイスピードプラスエリアの位置づけ、オプション契約の必要性、そして契約の際の注意点をまとめましょう。
WiMAXには3つの通信モードがあります。
- ハイスピードプラスエリアモード
- ハイスピードモード
- ノーリミットモード
ハイスピードプラスエリアモードの必要性は、あまり高くありません。しかし、LTEの無料化を見据えると対応ルーターを選んでおいた方がよいでしょう。
なお、ハイスピードプラスエリアモードを利用する際は、
- 月間データ量7GBを絶対に超えてはいけません
万が一超えてしまった場合は、ハイスピードモードも速度制限の対象となってしまいますのでご注意ください。
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