満足のいくモバイルWiFiルーター見つけるためには、機種のスペックにとらわれて過ぎてはいけない、あなたはこの事実をご存知でしょうか?
なぜなら、機種のみ購入してもインターネットは使えず、データ通信のためにSIMカードが必要になるからです。SIMカードによって、データ通信の速度やエリアに違いがあるので、提供元のネットワークの選び方はもっとも慎重に行うべきなのです。
さらに、プロバイダもじっくり選んだほうがよいでしょう。一見、どこでも同じように見えますが、初期費用や月額料金といった価格からメールアドレスの有無といったサービスに至るまで、各社にメリット・デメリットがあります。
この記事では、あなたに最適なネットワークとプロバイダ、そして現時点で最もおすすめなモバイルWiFiルーター見つけるためのコツをご紹介します。一度契約すると年単位での契約となりますので、後悔のないようにしましょう。
はじめてモバイルWiFiの選ぶ方のために
Pocket WiFiはモバイルWiFiの1ブランドに過ぎない
初心者の方がモバイルWiFiと聞くと、Pocket WiFi(ポケットワイファイ)を想像することが多いようです。間違いではありませんが、厳密にはPocket WiFiはワイモバイルが提供するのモバイルWiFiの1ブランドに過ぎません。
ワイモバイルが前身のイーモバイルであった頃から存在するブランドの一つであり、キャッチーなブランド名と丸みを帯びた銀色のルーターで一世を風靡したため、Pocket WiFiとモバイルWiFiは同じだと考える方も多いのです。
ただ、細かいことにこだわりすぎても仕方ありませんので、当サイトではPocket WiFiはブランド名として、「ポケットWiFi」はモバイルWiFiの同義語として取り扱っています。
余談ですが、Pocket WiFiは最近ぱっとしません。安く見せようとしているのでしょうか、機種ごとにプランを変えるなど、分かりにくい状態が続いています。
モバイルWiFiは4種類に分類できる
モバイルWiFiルーターを使ったデータ通信は、次の6種類に分類できます。
- au(エーユー)
- UQWiMAX(ワイマックス)
- SoftBank(ソフトバンク)
- Y!mobile(ワイモバイル)
- NTT docomo(ドコモ)
- SIMフリー(シムフリー)
auとUQWiMAXはKDDI系列、SoftBankとY!mobileはSoftbank系列です。ここで長年モバイルWiFiを紹介してきた経験上、費用対効果に優れるUQWiMAXとY!mobileが人気であることを踏まえると、メインストリームは次の4種類に分類し直すことができます。
- UQWiMAX(ワイマックス)
- Y!mobile(ワイモバイル)
- NTT docomo(ドコモ)
- SIMフリー(シムフリー)
というわけで、この先はこの4種類の詳細を比較していきましょう。
WiMAX(ワイマックス)
引用元:UQWiMAX
モバイルWiFi最強のバランス重視型
KDDIグループのUQコミュニケーションズとauで提供されているブランドです。現在は、WiMAXからWiMAX2+に移行し、下り370Mbpsを超える高速データ通信が可能です。
高速データ通信にもかかわらず月間データ量の上限が無いなど、データ通信の品質と料金のバランスが良く、現時点で最強のバランスを誇っています。
料金体系
標準的な月額料金は4,880円と設定されているものの、キャンペーンを活用することで実質月額2,000円から利用できます。
実質月額が安くなるキャンペーンには2種類あり、キャッシュバックと月額料金の割引がそれにあたります。どちらもおすすめですが、割引額からみれるとキャッシュバックのほうがお得でしょう。
メリット
ギガ放題を選べば月間データ量の上限(7GB)が無くなります。後述する3日で3GBの速度制限はあるものの、高速データ通信で月間データ量の上限が設けれられていないのは貴重な存在です。繰り返しになりますが「高速」というところがポイントですね。
また、LTE回線に対応した機種を選べば、任意のタイミングでauのLTE回線を利用することもできます。auの4G LTEは人口カバー率99%ですのでいざという時に安心ですね。
デメリット
WiMAX2+となりネットワーク全体のトラフィックが増加した関係で、3日間で3GBを超えるデータ通信には速度制限が掛かるようになりました。速度制限時のデータ通信の速度は公表されてはいないものの、実測で下り5Mbps程度です。
3日で3GBの速度制限は一時的なもの
ただ、この速度制限は一時的なものであり、3日間の通算で3GBを下回れば解除されます。スマホの128Kbpsをイメージしやすいのですが、WiMAXの場合は5Mbpsもありますので、インターネットの閲覧には十分耐え得る程度のものだと補足しておきましょう。
なお、動画の一気見でもしない限り3日間で3GBはそう超えません。
Pocket WiFi(ポケットワイファイ)
引用元:ワイモバイル
長期契約で安く使えるコスト重視型
Pocket WiFiは、月間データ量に制限があるものの、LTE回線をWiMAXよりも安く使えることで一定の人気がありました。
Y!mobile(ワイモバイル)になった現在、方向性が少し変化しました。長期契約と月間データ量を絞ることで安く使えるようになる格安SIMを意識したプランと、AXGPの通信方式を使用した月間データ量が無制限になるWiMAXを意識したプランがあります。
ただ、二兎を追った結果、中途半端な構成になっている印象は否めません。
料金体系
Pocket WiFiの料金体系は4種類で構成されており、機種ごとにおすすめのプランが分かれる形になっています。
いずれも3年契約が前提ですが、月間データ量が5GBの最安値プランは月額2,480円、無制限のプランは月額4,380円です。
メリット
Pocket WiFiプランLでは、Y!mobile(ワイモバイル)のLTEとソフトバンクのLTE・4Gの3種類のネットワークに接続できます。イーモバイルの頃と比べ、ソフトバンクのエリアを使えるようになったことで、よりエリアに強くなりました。
また、WiMAXやdocomoに比べ、モバイルWiFiルーターの選択肢が多いことも特長です。たとえば、Pocket WiFi 502HWではTVを視ることができるなどバリエーションに富んだ選択肢があります。
デメリット
3年縛り
安く使うためには3年契約が必須です。モバイルデータ通信の分野は進歩が速いため、3年も経てば現在の最新技術も化石になってしまいます。周りが最新ルーターを持つ中、自分だけ古い機種を使い続けることは辛いものがあります。さらに、3年も経てば生活環境も変わるため、モバイルWiFi自体が不要になる可能性もあります。
AXGP通信方式のエリアが狭い
AXGP通信方式でのデータ通信のみ月間データ量が無制限になりますが、対応機種は少なくまた提供エリアが都市部に限られるなど条件が厳しめです。Wireless City Planningで提供エリアが開示されていますので、チェックしてみるとよいでしょう。
3日間で通算1GB(3GB)超過時は速度制限あり
WiMAXと同様、3日間で通算で一定以上のデータ通信を行うと速度制限がかかります。通算データ量の上限はプランによって1GBと3GBに分かれています。なお、公表はされていませんが、速度制限時は実測で下り1Mbps程度でした。
NTT docomoのデータ通信
引用元:docomo
コスト度外視!パフォーマンス重視型
docomoのデータ通信です。現状は、PREMIUM 4GTM で下り最大370Mbpsのサービスを展開しており、WiMAX2+とならんで業界最高速です。2017年には下り最大682Mbpsの端末の発売を予定するなど、業界のフロンティア的存在でもあるのですが、その反面、費用対効果はよくありません。
料金体系
月間データ量は「パケットパック」という単位で販売されており、必要なデータ量をあらかじめ購入して利用します。価格は1GBあたり1,000円が基本ですが、データ量に応じて単価が下がり100GBを購入すると1GBあたり250円となります。
他社と決定的に異なるのは、無制限プランがないということです。5GBで契約し超過した場合は、追加でパケット量を購入する必要があります。
メリット
月間データ量の範囲であれば、高速データ通信を制限なく利用できます。Pocket WiFiやWiMAXでは3日間の通算データ量で速度制限が掛かるため、これは大きなメリットです。
デメリット
他に比べて料金がかなり高いです。
標準的なデータMパック(5GB)で月々5,000円であり、基本料金やインターネット接続サービス料を含めると総支払い額は月々7,000円を超えます。なお、モバイルWiFiルーターの端末代金がありますので実際の負担額はもっと増えるでしょう。
上記のような理由から、ビジネスシーン以外で見る機会は少ないと思います。
SIMフリーのルーター
Aterm MR05LN 引用元:ASCII.JP
キャリアに縛られない自由度重視型
すでにご紹介したとおり、モバイルWiFiルーターは端末とSIMカードで構成されています。つまり、SIMフリーの端末と対応するSIMカードを用意できれば、キャリアに縛られることのないモバイルデータ通信の環境を構築できます。
料金体系
SIMフリー端末の価格
SIMフリーのモバイルWiFiルーターの価格は端末によりそれぞれです。中古や低スペックでよければ1万円以内で入手することも可能ですが、新品でそれなりのスペックのもの手に入れようとすると2万円前後は必要でしょう。
SIMカードの価格
SIMカードの価格もMVNOや通信速度、月間データ量によって大きく変わります。低速や低容量でも良ければ安く済みますが、ドコモやauといった大手のキャリアと同じ品質を求めるのであれば1GBあたり1,000円前後です。
メリット
好みのSIMカードを使えるのは大きなメリットでしょう。
デュアルSIMに対応したモバイルWiFiルーターであれば、高速低用量と低速大容量のSIMカードを組み合わせたり、docomoとauのSIMカードを組み合わせたりもできます。
SIMカードがdocomo系であればdocomoと同じエリア、au系であればau 4G LTEと同じエリアで利用できるため、エリアについては申し分ありません。
デメリット
当たり前ですが、モバイルWiFiルーターとSIMカードは、自分で調達する必要があります。端末とSIMカードの組み合わせは何でもよいというわけではなく、使えるかどうかは自分で調べなければいけません。
また、現時点でWiMAXに対応したSIMフリーのルーターはないので、WiMAXとLTEの組み合わせはできません。結局のところ、docomoかauのMVNOが提供する格安SIMのLTE回線を使うことになるでしょう。
格安SIMのLTE回線は、回線が混雑すると速度が極端に落ちる傾向があります。ベストエフォートで下り最大150Mbpsで実測1Mbpsなど、一時期話題になりました。
総括
モバイルWiFiのおすすめな選び方をテーマに、主要なネットワークのとメリット・デメリットをまとめてきました。サービスに力を入れているキャリアは限られており、本当におすすめできるものはWiMAXとSIMフリーしかありません。
あなたがモバイルデータ通信に深く精通しているのであれば、SIMフリーでネットワークを構築するのもありですが、はじめての方であればWiMAXでスタートするのが無難です。
WiMAXの契約者数は2016年度の第2四半期で2000万を突破しています。興味を持たれた方は、ぜひWiMAXを検討してみてはいかがでしょうか?