WiMAX2+(ワイマックス)対応のルーターSpeed Wi-Fi NEXT WX04(以下、WX04)が登場しました。タイトルに書いた通り、国産のWiMAX2+ルーターではじめてau 4G LTEのネットワークに対応しています。
またWiMAX2+とau 4G LTEとのキャリアアグリゲーションには対応していないものの、クレードルがビームフォーミングに対応することで、モバイルルーター兼ホームルーターとしての機能が強化されています。
最初にネタバレしておくと、WX04とW04の主な違いは最高速度、クレードル、SIMカード3つです。また3年契約限定なこともポイントです。
今回は、人気必須のモバイルWi-Fiルーター、WX04を徹底解説していきましょう。
目次
WX04を選ぶときに注意すべきことは?
3年契約限定のルーター
いきなりですが、WX04は3年契約限定のモバイルWi-Fiルーターです。
W04やL01など、すでに販売されているルータは2年契約でも購入できますので、混同しないようにしましょう。WX04が3年契約の限定にされたのは正直なところ驚きました。しかし、人気であったWX03がLTEに対応したと考えれば自信があるのも納得です。
3年契約にもメリットがあり、通常月額1,005円掛かるハイスピードプラスエリアモード(以下、HS+A)が無料になります。
これについては後ほど詳しく説明します。
HS+Aの月間データ量はギガ放題でも7GB
HS+Aモードの月間データ量の上限は7GBです。
WiMAX2+の醍醐味は、「ギガ放題」を利用した月間データ量7GBの限界突破がですが、ざんねんながらHS+Aモードの通信は「ギガ放題」の対象外です。au 4G LTEのは本家においても使い放題のプランがないため仕方がありません。
HS+Aモードの通信はWiMAX2+とLTEで区別されないので注意しましょう。
なお、WX04では戻し忘れを防止するために「ワンタイムHS+A」という通信モードが新たに追加されましたので誤って7GBを超えてしまうリスクが減りました。
[box color="blue" title="ハイスピードプラスエリアモードで7GBを超えると?"] HS+Aで7GBを超えた場合、月末まで恒久的な速度制限が掛かります。速度制限の対象となった場合、ハイスピードモード(以下、HSモード)に戻しても解除されないため、絶対に超えないようにしましょう。[/box]
WX04のおすすめポイントは?
Wウィング搭載のクレードルがビームフォーミング対応に!
ビームフォーミングへの対応によりWi-Fiのスループットが20%も向上しています。
LTEに対応していないにもかかわらず、WX03が好評だった理由のひとつに、Wウィング搭載のクレードルの存在があります。それだけホームルーターとしての役割に期待する方が多いということです。
WX04はモバイルWi-Fiルーターとして国内で初めてビームフォーミングに対応し、強みを伸ばしてきました。Pocket WiFiやYahoo! Wi-Fiを含め、ここまで室内での利便性に注力されたモバイルルーターはありません。
3,200mAhのバッテリーを搭載!WiMAX2+最強の持久力
Wi-Fi接続時の連続通信時間が15%も向上しています。
WX03で大幅に向上した持久力がさらに伸びました。その結果、最も省エネのエコモードでは約13.8時間の連続通信が可能になり、理論上はW04のバッテリーセーブモードよりも約3.3時間も長く使うことができます。
また、飛躍的な性能の向上は見受けられないものの、約16.5時間以上の連続通信を可能にするBluetooth接続も継承しています。WX04のBluetooth接続の下り速度は110Mbpsですので実用に耐えるレベルです。
LTE対応で上りは最大50Mbps!20MbpsもUP!
下り速度はこれまでどおり最大440Mbps。LTEに対応した上り速度は50Mbpsです。
注目のポイントは上り速度です。前回10Mbpsから30Mbpsに引き上げられましたが、今回はさらに20Mbpsもスピードアップしました。まだごく限られたエリアでしか提供されていませんが順次拡大予定になっています。
下り回線に比べ上り回線を利用する頻度は少ないものの、One DriveやGoogleドライブ、DropBoxといったオンラインストレージにデータをアップロードするときに、上りの速度があると便利です。
WiMAX2+がスタートしたときの上り速度は10Mbpsでしたので、かなり使いやすくなったなぁとしみじみです。
WX04のスペックを他の機種と比較
もっと深く知りたい方のために、Speed WiFi NEXT W04(以下、W04)との比較、およびWX03との比較を行いましょう。
WX04のスペック詳細 - 主要機能の抜粋
まずは、W04の基本スペックをさらっとおさらいです。
スペック | |
---|---|
イメージ | 約W111×H62×D13.3mm |
商品名 | Speed WiFi NEXT WX04 |
カラー | アクアブルー/クリアホワイト |
メーカー | NECプラットフォームズ |
質量 | 約128g |
通信速度 | 下り最大440Mbps/上り最大50Mbps |
ネットワーク | WiMAX2+/au 4G LTE |
バッテリー | 3,200mAh |
連続通信時間*1 | 約830分/約780分 |
連続待受時間 | 約700時間(休止状態)・約50時間(ウェイティング) |
おすすめ度 |
(*1) WiFi接続でエコモード(WiMAX2+/au 4G LTE)の場合
WX04とWX03の比較 - 旧モデルとの違いはどこ?
次に、旧モデルとの比較を行いましょう。
WX04 | WX03 | |
---|---|---|
イメージ | ||
サイズ | 約W111×H62×D13.3mm | 約W99×H62×D13.2m |
下り通信速度 | 最大440Mbps | 最大440Mbps |
上り通信速度 | 最大50Mbps | 最大30Mbps |
質量 | 約128g | 約110g |
WiMAX2+ | [maru] | [maru] |
LTE | [maru] | [batu] |
Bluetooth接続 | [maru] | [maru] |
クレードル | [marumaru] | [maru] |
SIMカード | nano SIM | micro SIM |
連続通信時間*1 | 約830分 | 約740分 |
待受時間 (休止状態) |
約700時間 | 約1,100時間 |
待受時間 (ウェイティング) |
約50時間 | 約45時間 |
バッテリー容量 | 3200mAh | 2890mAh |
インターフェイス | USB Type-C |
micro USB |
(*1) WiFi接続でバッテリーセーブモードの場合
LTEに対応
比較してみると分かるとおり、LTEに対応したことが最も大きい変更です。
ただし、WiMAX2+とのCAには対応していないため最高速度は同じ440Mbpsです。CA対応のチップセットが搭載されていれば、ファームウェアアップデートに期待できますが今のところそれらの情報はありません。
SIMカードがnano SIMへ ※注意せよ
見落としがちですが、SIMカードがより小さいnano SIMに変更されています。
SIMカードの抜き差しを考えていないのであれば、それほど意識する必要はありませんが、WX04より前に発売された機種と併用しようと考えている方はご注意ください。(ブクマやPocketを備忘に活用してくださいね)
ただ、来春の発売が予想されるW05やL02ではnano SIMが搭載されていく可能性もあるので、あくまで現時点に限定した話です。
USBはType-Cへ
WX03ではmicro USBでしたが、時代の流れにそってType-Cへと変更になりました。3年間使うことを考えると、インターフェイスはなるべく新しいものを選びたいところです。
[box color="blue" title="USB Type-Cとは?"] USB3.1に準じる次世代コネクタの規格です。差し込み方向を問わないシンメトリーの形状が特長で、双方向への電力供給が可能です。変換アダプタを利用することでmicro USB等との互換性もあります。[/box]
在庫があるうちはWX03も選択肢としてあり
NECプラットフォームズ製のモバイルWi-Fiルーターのファンにとって、WX04がLTEに対応したことは大きな進化です。
ですが、
- LTE対応
- ビームフォーミング対応
を除けばWX04はマイナーアップデートともいえるではないでしょうか。(上り速度向上やワンタイムHS+Aモードの追加を考慮してもです)
もし「LTEが不要だ」というのであれば、これから行われるであろうWX03のセールに着目するとお得に入手することができるはずです。
WX04とW04の比較 - ライバル機種との違いはどこ?
次にライバル機種との比較を行います。
WX04 | W04 | |
---|---|---|
イメージ | ||
サイズ | 約W111×H62×D13.3mm | 約W53×H130×D14.2mm |
メーカー | NECプラットフォームズ | Huawei |
下り通信速度 | 最大440Mbps | 最大708Mbps |
上り通信速度 | 最大50Mbps | 最大50Mbps |
質量 | 約128g | 約140g |
通信方式 | 4×4MIMO + CA | 4×4MIMO + CA |
WiMAX2+ | [maru] | [maru] |
LTE | [maru] | [maru] |
LTEとのCA | [batu] | [maru] |
Bluetooth接続時の速度 | [maru] | [sankaku]*2 |
クレードル | [marumaru] | [sankaku] |
連続通信時間*1 (WiFi) |
約830分 | 約630分 |
待受時間 (休止状態) |
約700時間 | 約850時間 |
待受時間 (ウェイティング) |
約50時間 | 約38時間 |
バッテリー容量 | 3200mAh | 2750mAh |
おすすめ度 |
(*1) バッテリーセーブモード時(W04)、Bluetooth®&エコモード時(WX04)
(*2) 下り速度はW04は最大3Mbps、WX04は110Mbps
本体のスペックはW04の方がやや高い
下り最大速度に注目してみると、本体のスペックはW04のほうがやや高いです。
WX04のほうがバッテリーの保ちやBluetooth接続時の速度は上ですが、WiMAX2+とLTEのCAに対応しているかどうかは無視できません。
ただ、W04のHS+Aモードでハイパフォーマンスモードを使うかといったら話は別です。
たいていのシーンがノーマルモードやバッテリーセーブモードでまかなえてしまうため、ハイパフォーマンスモードが必要になる機会はそう多くないでしょう。クラウドサービスから資料をダウンロードするときなど、特定の用途に限られます。
もちろんハイスペック機を持つ喜びはありますよ(笑)
これが本命!WiMAXはW04でLTEの無料化に備えるべし!
ホームルーターとしてはWX04のほうが断じて良い
繰り返しになりますが、WX04の魅力はモバイルルーターでありながらホームルーターとしての能力も高いことでした。
WiMAX2+対応のホームルーターとして、現在の売れ筋はSpeed Wi-Fi HOME L01。W04と同じHuawei社のルーターです。インテリア性が高く、WiMAX2+とLTEに対応していることから、ここ半年でシェアを伸ばしてきました。
WX04がL01のシェアを奪っていく可能性もあると思います。(L01は2年契約できるため、シェアが奪われるとは言い切れないのです)
これは凄い!WiMAXのL01はSIMフリーの万能ホームルーター!
WX04の実物を見てみよう!
オーソドックスでコンパクトな外観
[d_photo_frame type="clip" color="blue"]WX04をW04・W03と並べてみると、横幅が小さいことがわかります。 WiMAX2+ルーターのなかでも小さめなW03と比べてみてもその差は一目瞭然です。さすがに片手で操作することはできませんが、タッチパネルの反応もよく、操作性は良かったです。
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3,200mAhのバッテリー搭載でも厚くない
[d_photo_frame type="clip" color="blue"]WX04の厚さはWX03と変わっていません。それでいて現行で最大のバッテリー容量なのは評価したいところです。厚さが薄いと鞄のポケットに入れるときが楽ですよ。
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USBは長く使えるType-C
[d_photo_frame type="clip" color="blue"]WX04のUSBはType-C。今後間違いなく増えていく規格であるため3年先も安心。
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nano SIMは電池パックの裏にあり
[d_photo_frame type="clip" color="blue"]SIMカードの挿入口は電池パックの裏側にあります。正直なところ使いにくいです。W04のように独立しているほうが操作性はよいでしょう。一般的に抜き差しすることは少ないため、気にしなくてもOKです。
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SIMカード
[d_photo_frame type="clip" color="blue"]nano SIMとmicro SIMを並べてみました。WX04の本体だけ購入してもnano SIMが無いと使えないので気をつけましょう。nano SIMに対応する端末が増えたらWX04の市場価値が上がる可能性もあります。ちなみに、WX04はSIMフリー。ドコモ系のsimで動いたという情報もあります。(当たり前ですがWiMAX2+は使えません)
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女性にも使いやすいUI
[d_photo_frame type="clip" color="blue"]最後はWX04のユーザーインターフェイス(UI)。横幅が小さめな筐体もさることながら、UIも分かりやすいので女性にもおすすめです。上記の写真だけでも、HS(ハイスピードモード)でHS-P(ハイパフォーマンス状態)、HS+A(ハイスピードプラスエリアはオフ)とひと目で分かるようになっています。
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WX04を最安値で手に入れるおすすめな方法とは?
白ロムの購入は絶対におすすめしない
WX04のSIMカードはnano SIMですので、W04やWX03で使っていたmicro SIMを挿すことはできません。メルカリやヤフオクでWX04を見つけても購入しないようにしましょう。
「今月中は使えます」「すぐ使えます」と記載され、IMEI番号をしらべて〇(利用可)であったとしても使えなくなる可能性があります。
WX04においてはいつも以上にプロバイダ各社の公式ルートからの購入をおすすめします。
WX04を推しているプロバイダを探そう
じつはWX04はプロバイダによって推しかどうかが分かれています。
ここまで熟読された方はお気づきかもしれませんが、トータル的なスペックはW04のほうが高く、ホームルーターとしてはL01というライバルがいるからですね。(近年のHuawei社は勢いが凄いと思う)3年契約限定モデルというのも、ハードルを上げているでしょう。
よって最新ルーターといえど、現状ではすべてのプロバイダがWX04を推しているわけではありません。W04を推しているプロバイダ、在庫があるWX03を推しているプロバイダとキャンペーンはさまざまです。
WX04を購入したいのであれば、次のプロバイダが良いでしょう。月額料金に自身のあるBroad WiMAXと元NECのBiglobeが頑張っています。
Broad WiMAXをお得に契約する完全ガイド
BIGLOBEでWiMAXをお得に契約する完全ガイド
[box color="blue-blue" title="WX04の登場でW04がお得に!"]
2年契約のW04を推しているGMOとくとくBBは、WX04の登場によりW04のキャッシュバック額が3万円の大台に乗りました。クレードルはUQのオンラインショップでも安く買えるので最高額のキャッシュバックを狙いましょう。
GMOとくとくBBでWiMAXをお得に契約する完全ガイド
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まとめ
WX04のスペックの検証・WX03およびW04との比較を行ってきました。
国産のWiMAX2+ルーターで初のLTE対応ということで期待の高いWX04ですが、仕様を控えめにすることと、3年契約限定にすることでW04やL01のメリットをあえて消さないようにしている印象を受けます。
それでも、WX04は連続通信時間やビームフォーミング対応など、欲しい機能をはずしていないので、ストレスなく長期間使い続けることができるでしょう。
リリース後のシェアの変動については、情報が入り次第、追記していきたいと思います。
[box color="pink-pink" title="今月おすすめのプロバイダ5選とキャンペーン"] WiMAXを取り扱うプロバイダは20社以上。そのなかからベストな一社を見つけるのは至難の業です。次のページでは、当月おすすめできるプロバイダを5つまで絞り、そのキャンペーンの徹底比較を行いました。ひと目で分かる一覧表からあなた好みの1社を見つけましょう。 [/box]