WiMAX(ワイマックス)の最新ルーターであるSpeed Wi-Fi NEXT W03(以下、W03)の実機を入手しました。WiMAXユーザーの一人として、モバイルWi-Fiルーターの購入を考えている方のために、実際の使用感をご紹介します。
W03は、人気モデルであったSpeed Wi-Fi NEXT W02(以下、W02)の後継機にあたると同時に、WiMAX2+だけでなくWiMAXも使えるSpeed Wi-Fi NEXT WX02(以下、WX02)のライバル機種でもあります。
これらの背景を踏まえ、この記事ではW03のレビューだけでなく、WX02およびW02と比較も行いました。
UQWiMAX史上初めて下り最速370Mbpsを達成したW03に興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
W03は「買いどき」のルーターである!
はじめに言い切ってしまえば、W03は最もおすすめなWiMAXルーターです。
ライバル機種としてWX02が存在していますが、実際にライバル関係にあったのは旧モデルまで。現状ではW03のほうが、頭一つ抜きんでているといってもよいでしょう。
もちろん、WX02の後継機種(WX03?)が登場すれば、力関係に変化が起きる可能性はありますが、今のところ発表はありません。*1
買ってすぐに型落ちになる心配はないので安心できますね。もし、何らかの情報があれば、当記事をアップデートしますので、参考にしていただければ幸いです。
(*1)2016/9/16 時点です。
W03の注目すべきポイントはココ!
最速の下り最大370Mbps
やはり最初に目を引くのは下り最大370Mbpsという速さです。WiMAX2+の下り110MbpsとLTEの150MbpsをCAで組み合わせて実現しているため、安定性に期待が持てます。
WiMAX(ワイマックス)ではLTEがオプションになっているため、日常的に利用する機会は少ないかもしれませんが、巨大なデータを高速にDLする必要に迫られた際は、切り札になるでしょう。
そして何より、「最速」の響きがよいですね。
持久力が大幅に向上し最大12時間使える
Speed WiFi NEXT シリーズの初代W01は、使いやすいUI(ユーザーインターフェース)で人気がありました。タッチパネルを採用し、初心者や女性のユーザーも多かったです。
しかし、通信時間や待ち受け時間といった、いわゆる持久力に課題がありました。この課題は後継機種のW02で少し改善されたものの、WX02にはおよびませんでした。持久力を求めてるのであれば、WX02を選ぶ必要があったのです。
W03は、バッテリーの容量も増量され、持久力が大幅に向上しています。バッテリーセーブモードは、下り最大110Mbpsとなるものの、理論的には12時間連続して使えます。これくらいのスタミナがあると充電器を持ち歩かなくても余裕で1日過ごせるでしょう。
実質月額2,000~3,000円以下で運用可能
下り最大370Mbpsだけでいえば、NTT docomoのPREMIUM 4G 370Mbps対応ルーターという選択肢もあります。現状では「Wi-Fi STATION HW-01H」などです。
しかし、NTT docomoのデータ通信は料金が高くプライベートでの利用に向いていません。標準的なデータMパック(月間データ量5GB)のプランを選んでそれだけで5,000円です。実際は諸費が掛かるため、もう少し高くなるでしょう。
WiMAX(ワイマックス)であれば、キャンペーンを活用することで、W03の端末代金が無料になるうえ、プロバイダー料金込みで実質月額2,000~3,000円で運用できます。
W03の基本スペックを他の機種と比較
さまざまなプロバイダーの公式サイトで、W03の詳細スペックは掲載されていることから、当サイトでは詳細な情報を羅列することはしません。WiMAXを数年間使ってきた経験から「ここは外せないだろう!」と考えるポイントに絞って比較していきます。
W03の基本スペック
スペック | |
---|---|
イメージ | 約W120×H62×D11.4mm |
商品名 | Speed WiFi NEXT W03 |
メーカー | HUAWEI TECHNOLOGIES CO.LTD |
質量 | 約127g |
最大通信速度 | 下り最大370Mbps・上り最大25Mbps |
ネットワーク | WiMAX2+ および LTE |
バッテリー | 3,000mAh |
連続通信時間 | 約730分(バッテリーセーブモード) |
連続待受時間 | 約1,040時間(休止状態)・約45時間(ウェイティング) |
おすすめ度 |
W03の性能を最大限に引き出す条件
下り最大370Mbps・上り最大25Mbpsで利用するためには、WiMAX2+とLTEがキャリアアグリゲーション(以下、CA)に対応するエリアで、ハイスピードプラスエリアモードで通信する必要があります。この条件を満たさない場合は、下り最大220Mbpsです。
ハイスピードプラスエリアモードは、必要に応じてルーターから任意のタイミングで利用できるオプションです。月額1,005円(税抜)でエリアに強いLTEが使えるようになります。
旧モデルW02と比較
W03 | W02 | |
---|---|---|
イメージ | ||
サイズ | 約W120×H62×D11.4mm | 約W121xH59xD11.1mm |
下り通信速度 | 最大370Mbps | 最大220Mbps |
質量 | 約127g | 約119g |
最長通信時間 | 約760分 | 約510分 |
待受時間(休止状態) | 約1,040時間 | 約760時間 |
待受時間(クイック) | 約45時間 | 約35時間 |
バッテリー容量 | 3000mAh | 2300mAh |
バッテリー容量が大きくなり持久力が大きく向上
通信時間や待受時間が大幅に向上していることが比較でわかります。サイズがひと回り大きくなっているのはバッテリーの容量が増えたためでしょう。
ライバル機種WX02と比較
W03 | WX02 | |
---|---|---|
イメージ | ||
サイズ | 約W120×H62×D11.4mm | 約W110×H66×D9.3mm |
メーカー | HUAWEI | NEC AT |
下り通信速度 | 最大370Mbps | 最大220Mbps |
質量 | 約127g | 約127g |
通信方式 | CA | 4×4MIMO |
タッチパネル | [maru] | [batu] |
WiMAX2+ | [maru] | [maru] |
LTE | [maru] | [batu] |
WiMAX | [batu] | [maru] |
最長通信時間 (Wifi) |
約760分 | 約600分 |
最長通信時間(BlueTooth) | ー | 約720分 |
待受時間(休止状態) | 約1,040時間 | 約650時間 |
待受時間(クイック) | 約45時間 | 約35時間 |
バッテリー容量 | 3000mAh | 3000mAh |
おすすめ度 |
通信方式やネットワークは変更なし
W03は「LTE」を、WX02は「WiMAX」を「WiMAX2+」を速度やエリアの面でサポートするネットワークとしています。ここではサブネットワークと呼ぶことにします。
1台で「WiMAX2+」「WiMAX」「LTE」という3種類のネットワークが使えるルーターは現状ではないため、「LTE」が使いたければW03を、「WiMAX」が使いたければWX02を選ぶ必要があります。
使いたいサブネットワークで、逆説的にルーターが決まるという点は今回も変更なしです。ゆえに、次のポイントをあらためて押さえておきましょう。
[box color="blue" title="LTEとWiMAXを選ぶポイント"]- LTEはオプションであること(W03)
- WiMAX2+とWiMAXの手動切り替えは現状できない(WX02)
私がW03を購入した理由と実機のレビュー(※写真を公開)
私がW03の購入をした理由は3つあります。
- キャリアアグリゲーション(以下、CA)で下り最大370Mbps
- 持久力が大幅に向上しWX02と同等である
- スマホライクなUIで使いやすい
すごく一般的ですね。
WiMAX(ワイマックス)では、これまでAtermシリーズやHWD15など、さまざまなルーターを使ってきましたが、求めていることはあまり変わっていません。
今回は、まず日常的に外出先でスマホやパソコンを使っているということ、次に家族も操作する可能性があるということから、持久力がありUIの優れるW03を選びました。
では早速、レビューしていきましょう!
W03のサイズ感
普段はカバンに入れていますが、胸ポケットでも持ち運びできる大きさです。カバーを付けたiPhoneよりも小さく程好いサイズ感です。
W03の操作性
タッチパネルのロックを外した後に表示される画面(画面1)です。
画面1を右にスライドすると表示される画面(画面2)です。
メニューは2種類です。タッチパネルをスライドすることで、切り替えることができます。説明書がなくとも直感的に分かるように設計されているので初心者でも安心です。
頻繁に使うことになるのは、画面1の「情報」と画面2の「パフォーマンス設定」でしょう。「情報」ではSSIDや接続パスワードの確認、「パフォーマンス設定」ではバッテリーの使い方を指定できます。
なお、タッチパネルにロックをかけたままでも通信は可能となっており、誤操作の防止や設定の保護、セキュリティ対策もバッチリです。
W03の通信品質(速度や電波の掴み具合など)
そして気になる速度ですが、下り220Mbpsのハイスピードモードであっても、50Mbps程度の速度がでていました。あらためて見直してみると、アプリのメーターが振り切れているので、実際の速度はもっと出ていた可能性があります。
今回の計測は駅に近いコーヒーショップの窓際で行っています。
モバイルデータ通信の速度は、場所や時間帯に大きく影響を受けますので、あくまで参考程度にとどめてください。より多くの場所の実測値が知りたい方は、GMOとくとくBBが提供している実測マップを参考にするよいでしょう。
まとめ
ここまで、W03のスペックの分析・WX02およびW02との比較・そして実機のレビューを行ってきました。もし、実機で試して欲しいことがあれば、コメントをください。
繰り返しになりますが、ユーザーの目線でW03は「買い」のルーターです。
WX02の後継機種がでればこの状況も変わると思いますが、WX02はCAではなく4×4MIMOの通信方式を採用していることから、おそらく時間がまだ掛かるでしょう。
キャンペーンを活用しつつW03で始めてみてはいかがでしょうか? 当記事があなたのお役に立てれば幸いです。よろしければシェアしていただけると嬉しいです。